業界シリーズ file6 山陰地方の賃貸住宅市場

 近年、堅調に推移したわが国の住宅投資は、主に賃貸住宅の着工戸数増加に牽引されてきた。主な要因としては、2015年の相続税改正による節税ニーズの高まり、2016年のマイナス金利導入に伴う借入金利の低下が、賃貸住宅の建設に拍車をかけたものと考えられる。
 いずれの要因も供給側の事情によるものであり、賃貸住宅の供給過剰から需給バランスの悪化、空き家の増加が懸念されている。人口が増加している首都圏でも、新築アパートが埋まらない、空室が増加しているといった報道を目にする機会が増えてきている。
 こうしたなか、山陰両県内においても賃貸住宅の着工は、近年、堅調に推移してきた。しかし、当地は全国の中でも人口減少が進んでいる地域であり、賃貸住宅が供給過多になる可能性がある。 需給バランスが崩れることにより、空き家の増加、家賃の下落につながり、投資採算が悪化するリスクが高まる。また、建設資金を借り入れで賄っている場合、返済計画に大きな狂いが生じることも考えられる。
 本調査では、各種統計データから山陰両県内における賃貸住宅のストックの状況と需要者である世帯の動向を整理した上で、今後の賃貸住宅市場の需給関係を展望する。

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